ヤングアメリカンズin河内長野、ワークショップの写真

ヤングアメリカンズは本当に個性的です。
キャストの大半はアメリカ出身ですが、カナダ出身もいれば、ドイツ、スウェーデンといったヨーロッパ出身、日本人やハーフの人もいます。だから、髪や肌、目の色も人によって違うし、体形もさまざま。また、ステージ衣装は別として、ワークショップの間は服装もバラバラです。

そんなヤングアメリカンズを初めて見たとき、わたしは、「えっ、そんなに統一感なくていいの?」「日本人とあまりに違いすぎて、ちょっと不安……」なんて思ったりもしました。

ですが、ヤングアメリカンズが皆それぞれ個性的であることには、ちゃんと理由があったのです。


「ワークショップでは、参加者のキッズに『みんな、好きなヤングアメリカンズのところに行ってね』と言います」

こう説明してくれたのは、今年のツアーで河内長野に来てくれたキャストの一人です。
ヤングアメリカンズのワークショップでは、キャスト1人と5~8人くらいの子どもが集まってグループを作り、輪になってダンスや歌を練習します。そうすることでお互いの顔がよく見えるし、ヤングアメリカンズの目も行き届くので、子どもたちひとりひとりをサポートしやすくなります。

「こちらでグループを決めるんじゃなくて、好きなヤングアメリカンズのところに行ってって言えば、みんなは自分とちょっと似ているヤングアメリカンズを選べます。恥ずかしがりな子は、恥ずかしがりなヤングアメリカンズのところ。ちょっと太ってる子は、太っちょなヤングアメリカンズのところ、とか。そんなふうに、どんな子でも自分と似たヤングアメリカンズを探せるように、ヤングアメリカンズには色んな人がいるんです」

ヤングアメリカンズと日本の子どもたちは、見た目も言葉も全然違います。30数人の外国人の若者を前にして、ちょっと身構えたり、戸惑ってしまう子もいるでしょう。
でも、その中からあえて「好きなヤングアメリカンズ」を選ばせることで、子どもたちはどこか惹かれるところや自分との共通点を見出して、自分から歩み寄っていけるのですね。

きっかけは、ほんのささいなことでいいのだと思います。「喋る声が大きい」とか「笑うとえくぼができる」とか「Tシャツの色が同じ」とか。ヤングアメリカンズは自分たちが常に個性全開、見た目も中身も色とりどりでいることで、子どもたちと重なれる幅を広げているのです。


ルールで縛って画一的になればなるほど、違いばかりが目立ってしまうもの。
反対に、みんなが個性的で色んな人がいれば、特定の誰かが孤立しにくくなるし、「間違い探し」ではなく「似たとこ探し」や「いいとこ探し」をするようになるでしょう。

違いがあるのは当たり前。色んな人がいるからこそ、誰もひとりぼっちにはならず、互いを尊重して交流できる。

多様性が安心を生む。そんな社会にしていきたいと、心から思います。