『被災地からのつぶやき』という詩画集があります。

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これは福島在住の和田恵秀さんが、東日本大震災で見たものや感じたことを、絵と短歌でつづったものです。この詩画集をもとに、朗読ライブという独自のスタイルで「今、伝えたいメッセージ」を表現した人たちがいます。

「パフォーマンスカンパニー 宇宙ビール」

2017年4月19日、彼らは河内長野市の金剛寺にやってきました。

その日は年に一度の「おそうじの会」の日で、ボランティアによるお寺のお掃除が終わった後、ご奉仕公演として宇宙ビールの朗読ライブが披露されたのです。
普段はオリジナル作品を中心に公演活動を行っている宇宙ビールですが、今回は主宰の結崎日御子さんが感銘を受けた『被災地からのつぶやき』の短歌をベースに、世界で読み継がれている絵本や、心に響く歌を織り交ぜた構成。多彩な経歴を持つメンバーが、朗読、歌、ヴァイオリン演奏、ダンスで豊かに表現してくれました。

1時間弱のライブの中に詰まっていたのは、今を生きる支えとなるメッセージ。
命の尊さ、自然や動物との共存、辛い出来事から立ち上がるための希望が、物語や歌を通して感じられたのです。
震災の被害を生々しく語るのではなく、深い部分でつながる普遍的な思い――何が失われたのか、守るべきものは何なのかといったことが、胸にすっと届く。こんな伝え方もあるのだと感じました。
宇宙ビールの朗読ライブは、今を生きるわたしたちに、そして未来の子どもたちに、忘れてはいけない大切なことを優しく語り継いでいく新たな方法を提示してくれたと思います。



パフォーマンス・カンパニー宇宙ビール 公式ブログ http://uchu-beer.com/
金剛山「おそうじの会」朗読ライブの記事はこちら